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2022年01月14日
不動産コラム

自分名義の「底地」と親の 「アパート」を 一緒に売却するときの売却代金の取り扱い 

ご相談内容

私は現在、賃貸マンション購入を検討中です。
その資金調達のため、私名義の土地(底地)と、その上に立つ父名義のアパートをセットで売却する予定です。
この場合、底地の売却代金はすべて私のものになりますか?

 ちなみに、私が底地を地主から取得したのは昨年で、その時、税務署に「借地権者の地位に変更がない旨の申請書」を提出しています。
以降、父との間で地代のやりとりはしていません。

借地権者としての地位を維持したまま 地代の支払いが免除される

 「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」 (以下、「申出書」 といいます) とは、 底地の取得者と借地権者 ( 借地人) が連署し、取得者が税務署に提出するものです。

この続きを行うと、 借地権者は借地権者としての地位を保ったまま(借地権を所有したまま)、 地代の支払いだけが免除されているものとして取り扱われます。

 したがってご質問のケースでは、「借地権部分」の売却代金は借地権者であるお父様が、「底地部分」の売却代金 はご質問者が取得したものとして、それぞれ譲渡所得の申告を行うことになります。

なお、 借地権割合は地域ごとに決まっており、仮にそれが70%の場合は、「借地権部分」 70%、「底地部分」 30%となります。

税務署に届出をしないと「借地権の贈与」を受けたことになる

 今回のケースとは異なりますが、 底地の取得者が「申出書」を提出せずに地代を受け取らない場合は、借地権者 から 「借地権の贈与を受けたもの」として取り扱われます。

地代をやりとりしないことによって借地権が消滅し、賃貸借から使用貸借 (無償で使用すること)に変わったとみなされるためです。

その時点で借地権相当額の贈与があったものとして贈与税が課税されることになります。

 仮に、ご質問者が 「申出書」を提出しなかった場合は、 底地を取得した時点で、 お父様から借地権の贈与を受け たこととなります。

したがって、土地・アパートを売却したときの土地部分の代金は、ご質問者がすべて取得す ることになります。

借地権に相続税 贈与税がかかるケースとは?

 なお、ご質問者が土地・アパートの売却資金の全額を使って自分名義の賃貸マンションを購入した場合には、アパートと借地権に見合う金額をお父様より贈与されたことになりますので注意が必要です。

 また、 今回、 土地・アパートの売却が行われず、 将来 お父様に相続が発生した場合は、アパートだけでなく借地権部分も相続財産となり、課税されます。 詳しくは税理士におたずねください。

Point!

・借地権者の地位を維持しつつ、地代の支払いを免除 するには、税務署への届出が必要

・土地の売却代金は、借地権割合に従って分割する

・底地取得者が代金全額を使うと 「贈与」の扱いになる




■ひらかわしげる 1981 年中央大学商学部卒業。 税理士 税理士法人 平川会計パートナーズ代表。 同事務所は不動産・相続税制のスペシャリ スト集団として高い評価を受けている。 HP は http://www.hirakawa-tax.co.jp/



※Owners 2021.12 加藤幸英の法律相談より


 

この記事を書いた人
加藤慎 カトウ シン
加藤慎
営業部で賃貸仲介、売買仲介、物件オーナー様の担当業務をさせていただいております。

不動産についてのご相談はお客様によって様々ありますので、ご希望やお考えをしっかりと理解し誠実な対応が出来るように心がけ、プロとしてお客様にとって有益なご提案と情報提供が出来るように知識の習得も続けていきます。

また、営業部の賃貸客付けグループはスタッフの人数が増え体制が強化されました。

グループ全員が一致団結して、一日でも早く空室の客付けが出来るよう頑張っています。
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