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2021年11月23日
不動産コラム

ここまで差が付く生きた税務

賃貸オーナーの父が死亡したとき 相続人が行うべき不動産所得の確定申告について

ご相談内容



 父が本年8月1日に他界しました。 相続人は母と私と弟の3人です。 父は賃貸マンションを所有し、 毎年、不動産所得の確定申告をしていたのですが、本年1月から亡くなる日までの分はいつ申告すればよいでしょうか。

 また、遺産分割にしばらく時間がかかりそうなのですが、死亡後の不動産所得については、どのように申告することになるのでしょうか。


 

確定申告は、相続開始後4カ月以内に!

 所得税の確定申告・納税は、毎年1月1日~12月31日に生じた所得について、翌年2月16日~3月15日に行うこととされています。

 しかし、納税者 (被相続人) が死亡した場合は相続人が行う必要があります (準確定申告)。
申告の対象は1月1日から死亡日までの所得、申告期限は相続の開始を知った日(通常は死亡日)の翌日から4ヵ月以内です。

 ご質問のケースでは被相続人が8月1日に亡くなっていますので、4カ月後の12月1日が申告期限となります。ご参考までに、申告期限の例を2つあげておきます。 

●死亡日が「令和3年12月1日」のケース 

 準確定申告の期限は4カ月後の令和4年4月1日です。
通常の確定申告期限(令和4年3月15日) より遅くなりますが、問題はありません。

●死亡日が「令和4年2月1日」のケース

 令和3年分と和4年分の確定申告が必要です。
申告期限はいずれも4カ月後の令和4年6月1日となります。


医療費や保険料の控除対象に注意!

 準確定申告をする場合、 医療費控除や社会保険料・生命保険料・地震保険料控除などの対象となるのは、生前、被相続人が支払った分に限られます。 

 なお、 死亡後に相続人が支払った医療費や保険料は、相続税申告時に債務控除として使用することができます。

 また、医療費については、支払った相続人の確定申告時に医療費控除として使用することも可能です (債務控除との併用はできませんので注意が必要です)。

未分割の場合は「法定相続分」に応じて申告を!

 財産の相続や債務の承継は、相続人の生活設計に大きな影響を与えます。 そのため、全員が納得する分割を行うにはそれなりの時間が必要になることも考えられます。
もし本年中に分割が確定しなかった場合には、民法上の法定相続分によりあん分して計算した金額にもとづいて、各相続人が確定申告を行うことになります(ご質問のケースでは、お母様1/2、 兄弟2人が各1/4)。

 後日、遺産分割が行われた場合、法定相続分に応じて行った過去の申告については訂正の必要はありません。

 詳しくは税理士におたずねください。

Point!

・納税者が死亡した場合は、相続人が準確定申告を行う

・申告の期限は、死亡日の翌日から4カ月以内

・本年中に遺産分割が確定しない場合は、各相続人 が法定相続分に応じて申告を!



■ひらかしげる  1981年中央大学商学部卒業。税理士。 税理士法人 平川会計パートナーズ代表。同事務所は不動産・相続税のスペシャリト集団として高い評価を受けている。

※Owners 2021.11 「ここまで差が付く生きた税務を考える」より 





この記事を書いた人
加藤慎 カトウ シン
加藤慎
営業部で賃貸仲介、売買仲介、物件オーナー様の担当業務をさせていただいております。

不動産についてのご相談はお客様によって様々ありますので、ご希望やお考えをしっかりと理解し誠実な対応が出来るように心がけ、プロとしてお客様にとって有益なご提案と情報提供が出来るように知識の習得も続けていきます。

また、営業部の賃貸客付けグループはスタッフの人数が増え体制が強化されました。

グループ全員が一致団結して、一日でも早く空室の客付けが出来るよう頑張っています。
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