不動産の税務について
不動産オーナー必見!消費税の「課税事業者」になったら会計処理はどう変わる?
不動産賃貸業を営む家主様にとって、避けて通れないのが「消費税」の問題です。
これまでは「免税事業者」として税込で計算していた方も、売上規模が拡大したり、インボイス登録をしたりすることで「課税事業者」になるケースが増えています。
「課税事業者になったら、これまでの会計ソフトの設定を変えなきゃいけないの?」 「税込と税抜、どっちが得なの?」
そんな疑問を解決するために、会計処理の変更点と、知っておくべき選択のポイントを解説します。
課税事業者になったら選べる2つの「経理方式」
消費税の課税事業者になると、日々の記帳方法を以下の2つから選択することができます。
1.税込経理方式:売上や経費を、消費税込みの総額で記録する方法
2.税抜経理方式:売上や経費を、「本体価格」と「消費税」に分けて記録する方法
結論から言うと、原則として、どちらを選んでも消費税の納税額自体に大きな違いはありません。
しかし、所得税の計算(経費にできる金額)や、節税特例の判定に大きな影響が出てきます。
「税込経理」と「税抜経理」の違い(具体例)
「税込経理」と「税抜経理」の違い(具体例)
例えば、事業用テナントの家賃として、月額22万円(内消費税2万円)を受け取った場合の処理を見てみましょう。
※居住用マンションの家賃は原則「非課税」ですが、事務所や店舗、駐車場などは「課税」対象です。
実はここが重要!「税抜経理」が有利になるケース
「面倒だから今のまま(税込)でいいや」と思われがちですが、不動産オーナーにとって税抜経理の方が有利になる代表的なケースが2つあります。
1.少額減価償却資産の「30万円判定」
青色申告の特例で、30万円未満の設備(エアコンや給湯器など)を一括で経費にできる制度があります。
税込経理の場合:30万8,000円(税込)の設備を買うと、30万円超えとなり、一括経費にできません。
税抜経理の場合:28万円(税抜)と判定されるため、一括で経費にできます。
2.固定資産の「10万円/20万円判定」
修繕費か資産計上かの判定も、税抜経理の方が「本体価格」で判定されるため、経費として認められる枠が実質的に広がります。
※大規模な修繕や設備投資を予定している家主様は、「税抜経理方式」を選択しておいた方が、節税面で有利に働く可能性が高いです。
インボイス制度導入後の注意点
2023年10月から始まった「インボイス制度」により、売上が1,000万円以下であっても、あえて課税事業者(インボイス発行事業者)を選択したオーナー様も多いはずです。
この場合、これまでの「免税事業者」の感覚で税込処理を続けていると、確定申告時に思わぬ納税額に驚くことになりかねません。
課税事業者になったタイミングで、一度ご自身の所有物件の収支を「税抜」でシミュレーションしてみることを強くおすすめします。
まとめ
課税事業者になった際のポイントを整理しましょう。
「税込」か「税抜」かは任意で選択できる(どちらも正解)。
管理のしやすさなら「税込」、節税特例の使いやすさなら「税抜」。
不動産所得が赤字の場合や、還付を受ける場合などは特に慎重な選択が必要。
「自分の場合はどちらが最適か?」と迷われた際は、早めに税理士などの専門家へ相談しましょう。
特に設備投資の予定がある年は、経理方式一つで納税額が大きく変わることもあるのです。
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