不動産の税務について
新しく、消費税の課税事業者になった場合の 会計処理の変更点は?
課税事業者になった場合
不動産賃貸業を営んでいる家主様。
令和元年の賃貸収入が1,000万円を超えたため、令和3年より消費税の課税事業者に。
昨年までは免税事業者だったので、会計処理を「税込経理方式」で行い、 青色決算書を作成していたが、課税事業者となったことにより、処理方法はどうするべきか。
結論は、免税事業者は税込経理方式を採用しなくてはなりませんが、課税事業者の消費税の会計処理については、「税込経理方式」と「税抜経理方式」の2つの処理方法が認められています。
したがって、新たに課税事業者となったことにより処理方法を「税抜経理方式」に変更しなければならないわけではありません。
その、「税込経理方式」「税抜経理方式」の違いや、特例等について、お伝えします。
「税込経理方式」と「税抜経理方式」の違いは
「税込経理方式」とは、仕入れ時に業者へ支払った金額、あるいは商品やサービスを売った時に買い主から受け取った金額は、消費税分を本体価格に含めた額としてまとめて処理する方法
「税抜経理方式」とは、仕入れ時に業者へ支払った金額、あるいは商品やサービスを売った時に買い主から受け取った金額を、消費税分と本体価格に分けて処理する方法
◆たとえば、1ヶ月20万円の家賃と別に2万円の消費税を受け取っている場合、
「税込経理方式」の場合
⇒家賃収入を22万円として計上
「税抜経理方式」の場合
⇒家賃収入を20万円、仮受消費税2を万円として計上
税務上の特例を活用する場合の注意点
「税込経理方式」「税抜経理方式」のどちらを選択しても、 原則として所得金額に影響はありません。
しかし、経理処理の方法は異なります(表参照)。
そのため、税務上の特例 (例: 取得価額30万円未満の少額減価償却資産を一括処理できる特例など)を活用したい場合などには、 どちらを選択するかによって有利・不利が生じることがありますので、注意が必要です。
「税抜経理方式」への変更も検討も
「税抜経理方式」の場合、収入金額や必要経費の金額、 資産の取得価格は消費税の額の影響を受けなくなるので、ご検討してみても良いかと思います。 ちなみに、免税事業者は「税抜経理方式」を選択できません。
最後に
いかがでしたか?
最後にポイントをまとめてみました。
・課税事業者は「税込経理方式」 または「税抜経理方式」 を自由に選択できる
・税務上の特例を活用する場合は、 注意が必要
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