賃貸物件の管理、オーナーのもしもに備えて今からできることは?
賃貸オーナー業務には定年がありません。
オーナーである高齢の親が平均寿命まで現役でいられるはずとは思ってはないものの、何も準備をしていないご家族は多いことと思います。
病気や怪我はもちろん心配ですが、知らないうちに進行する体の不調は、自分ではなかなか気づきにくいものです。
将来の心配に対して、どのような対策をしておけば安心できるのでしょうか?
認知症を例に挙げると・・・
オーナーが認知症によって判断能力を失っていると判断された場合、銀行融資や工事請負契約を結べないケースもあるようです。
そのような状況では、賃貸経営で必要な大規模修繕といった維持管理業務も難しくなってしまいます。
とはいえ、判断能力を失い「認知症」となるその時がいつ来るかは分かりません。
万が一に備えるために、出来る対策を行いましょう。
健康なうちに話し合いの場を設けましょう!
まずはご家族で話し合い、方向性を決めておきましょう。
判断能力を失った際には家庭裁判所が選任した成年後見人や保佐人が本人(オーナー)に代わって法律行為を行うという方法もあります。
ただ、この場合はどのような人物が選ばれるか分からないというリスクがあります。
一般的に、成年後見人等の職務や責任についての専門的な知識を持っている専門職(弁護士、司法書士、社会福祉士等)が選任されることが多く、家庭裁判所の選任の判断について、不服を申立てすることが出来ないそうです。
そこで、オーナーご自身の思いやご家族とのお話し合いをして、今後の賃貸管理をお任せする人物を決めておきましょう。対応策を2つご紹介いたします。
① 任意後見制度
② 信託契約
2つの方法が有効です。ただし、どちらも「本人に判断能力があるうち」に結んでおく必要がある点には注意が必要です。
ご家族に合った方法を選びましょう
① 任意後見制度は、あらかじめ本人が「もしも判断能力を失ったら、●●さんに後見人をお願いする」という契約を公正証書で結ぶものです。
この場合は、後見人となった●●さんが本人に代わって財産の維持管理を行います。
② 信託契約とは、「判断能力を失ったら、物件の管理や処分を△△さんに任せる」といった内容で契約を結んでおくものです。
しっかりとした信託契約を結んでおけば、不動産を担保にして銀行から融資を受けたり、不動産を維持管理するだけでなく、売却することも可能となります。
①②の制度を比較し、ご家族の事情や状況に合った方法を選ぶと良いでしょう。
早めの対策が大切!
お伝えしたように、本人に自覚がなくても「判断能力がない」と判断されてしまうとオーナー業務に影響が出る可能性があります。
任意後見制度や信託契約についても「本人に判断能力があるうち」に決めておく必要がありますので、今後について不安を感じた場合には、早めにご家族で話し合いの場を設けるのがよいでしょう。
ご紹介した制度を有効活用できれば、経営側も入居者も安心な賃貸経営ができるかと思います。
任意後見のための契約書の作成や信託契約について、詳しくお知りになりたいオーナー様は、弊社へ一度ご相談ください。
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