不動産貸付業に個人事業税が課税されるのはどのような場合か?
3年前に部屋数15室の賃貸マンションを建築し、 不動産賃貸を開始したAさん。
マンションもようやく満室になった先日、初めて個人事業税の納税通知書 (令和4年度分) が届いたのですが、 個人事業税とはどのような場合に課税されるのでしょうか。
答えは、個人が営む事業のうち、地方税法などで定められた事業(法定業種)に対して課税されます。
個人事業税とは
個人事業税とは、個人の方が営む事業のうち、地方税法等で定められた事業(法定業種)に対してかかる税金です。
納付通知書は前年の所得にかかる分が8月に都道府県民税事務所から送られてきます。
一般的には第1期(8月)と第2期(11月)の2回に分けて納付します。
ただし、地域により、8月に一括で納付するか、2回に分けて納付するかを選択できる場合があります
法定事業の分類
現在、法定業種は70 あり、表1の通り、ほとんどの事業が該当しているといえます。
法定業種は3つに分類されていて、不動産貸付業や駐車場業は第1種事業に該当します。
不動産貸付業及び駐車場業の基準について
不動産貸付業の認定基準は表2のとおりです。
ただし、 基準に満たない場合でも、 貸付用建物の総床面積が600㎡以上、かつ、 賃料収入金額が1,000万円以上などであれば不動産貸付業として認定されることがあります。
駐車場業の基準は、自動車の駐車のための場所を提供する事業で、次の表の基準を満たす場合に課税対象となります。
建築物である駐車場や機械械設備を設けた駐車場
⇨全ての駐車場(地下その他の駐車場)が課税対象
その他の駐車場(青空駐車場など)式及びコイン式を含む。)
⇨駐車用空間が10台分以上、駐車区画がない場合は、駐車場面積300平方メートル以上が課税対象
個人事業税の計算の仕方は?
「事業主控除」というものがあり、事業主控除額が年間290万円と定められているため、その範囲であれば課税されることはありません。
ただし、営業期間が1年未満の場合は月割額となります。例えば、営業期間が6か月の場合は、145万円が控除額です。
したがって、事業主控除の額よりも事業所得が少ない場合は、個人事業税は支払う必要はありません。
■個人事業税の計算式
「個人事業税の額=(所得の額-290万円)×税率」
「税率」は業種ごとに異なり、3~5%の間です(第1種事業の税率は5%)。
■「所得額」は、以下の計算式でもとめることができます
「収入金額-必要経費-青色申告特別控除=所得金額」
ただし、個人事業税は所得税や住民税と異なり、青色申告特別控除の対象ではないため、所得は青色申告特別控除の65万円、55万円か10万円を足し戻して計算しなければならなりません。
納めた個人事業税は、確定申告の際に経費として計上できるため、忘れずに計上しましょう。
最後に
ポイントをまとめました
・個人事業税はほとんどの個人事業に課税されます
・不動産賃貸業の認定基準は、 所有物件や土地の 種類、用途により異なります
・不動産貸付業など第1種事業の税率は5%です
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