期限が来ても退去してもらえない?契約内容に要注意!
「契約期限が過ぎたら、入居者には出ていってもらえる」
そう思っているオーナー様は、少し注意が必要です。
実は、賃貸借契約の種類によって、退去の考え方は大きく変わります。
ポイントは、入居者との契約が 「普通借家契約」か「定期借家契約」か、という点です。
この違いによって、契約満了時の対応はまったく異なります。
「期限が書いてある=退去できる」ではありません
たとえば契約書に
「2026年1月31日まで」
と記載されていても、普通借家契約の場合は要注意です。
普通借家契約では、借地借家法により、オーナーから正当な理由のある解約申し入れがない限り、契約は法定更新されます。
そのため、契約期間が満了しても、オーナーが一方的に「退去してください」と求めることはできません。
これは、将来的に建て替えを予定している場合でも同様です。
普通借家契約で退去してもらうには?
普通借家契約で立ち退きをお願いするには、「正当事由」 が必要になります。
正当事由の例としては、
・建物の老朽化が著しい場合
・やむを得ない自己使用の必要性がある場合
などが挙げられます。
ただし、これらの理由だけで認められるケースは少なく、
実務上は 立退料の支払いや条件面での補償などを含めた総合判断となることがほとんどです。
計画的に使いたい「定期借家契約」
一方、定期借家契約は仕組みが異なります。
定期借家契約は、
・あらかじめ契約期間を定める
・期間満了で契約は終了
・原則として更新なし
という契約形態です。
オーナーが正当事由を示す必要がないため、
・将来的に建て替えを予定している
・一定期間後に自宅として使用したい
といった計画がある場合には、非常に相性の良い契約です。
定期借家契約には「重要な注意点」があります
ただし、「更新はありません」と契約書に書くだけでは不十分です。
オーナーには、
・この契約は更新がなく、期間満了で終了すること
・その内容を記載した書面を、契約書とは別に交付し、説明すること
が法律で義務付けられています。
この手続きを怠ると、定期借家契約であっても普通借家契約とみなされてしまい、
期間満了での退去が認められなくなる可能性があります。
さらに注意したい「終了通知」の義務
居住用の定期借家契約(契約期間が1年以上)の場合、
オーナーは 契約満了の6か月前から1年前までの間に「この契約は期間満了で終了する」旨を借主に通知する必要があります。
この通知を行わないと、退去時にトラブルとなるケースもあるため、注意が必要です。
定期借家契約のデメリットも理解しておきましょう
定期借家契約はメリットだけでなく、次のような注意点もあります。
・退去時期が決まっているため、長く住みたい借主には敬遠されやすい
・その結果、家賃が相場より低めになりやすい
・地域によっては、定期借家契約に不慣れな仲介業者が扱いを避ける場合がある
物件の特性やエリア事情を踏まえ、慎重な判断が必要です。
まとめ
・契約期限があっても、普通借家契約では退去させられないことが多い
・計画的な賃貸経営には、定期借家契約が有効
ただし、定期借家契約には
正しい契約手続き・事前説明・終了通知が必須です。
契約内容を正しく理解することが、トラブルを防ぎ、安心した賃貸経営につながります。
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