任意後見人は辞めてもらえる?
~“約束”を変えるには理由が必要です~
「任意後見人を変更したい」
「今のままでは不安なので辞めてもらいたい」
こうしたご相談は少なくありません。
しかし結論から言うと、
任意後見人は簡単に交代できるものではありません。
なぜ簡単に変えられないのか?
任意後見制度は、『ご本人が元気なうちに自分で決めた“将来の約束』をもとにしています。
そのため家庭裁判所も、親族の意向だけで後見人を変更することには慎重です。
一度決めた約束を変えるには、それ相応の理由が必要になるということです。
後見人を辞めてもらう2つの方法
任意後見人を交代させるには、家庭裁判所に申し立てを行い、認めてもらう必要があります。
主な方法は次の2つです。
① 後見人の解任を求める
「この後見人は適任ではない」と判断してもらう方法です。
ここで重要なのは、感情ではなく“具体的な事実”です。
例えば…
・面会や訪問がほとんど行われていない
・必要な連絡に対応しない
・体調や生活状況の変化に気づいていない
このように、後見人としての役割に支障が出ている場合、不適任と判断され、解任が認められる可能性があります。
ただし実務上は、単なる不満や不仲だけでは足りず、解任のハードルはやや高い点には注意が必要です。
② 法定後見へ切り替える
もう一つは、任意後見をやめて 家庭裁判所が新たに後見人を選ぶ「法定後見」に移行する方法 です。
例えば、
「現在の関係では、本人の生活や財産管理に支障が出ている」といった事情がある場合、任意後見のままでは本人保護が不十分と判断されれば、切り替えが認められます。
この場合、裁判所が新しい後見人を選任し、現在の任意後見契約は終了します。
ポイントは「具体的な悪影響」
どちらの方法でも共通して重要なのは、関係の悪化によって、本人の生活にどんな支障が出ているか という点です。
・「仲が悪い」だけでは不十分
・生活・介護・財産管理に影響が出ている事実が必要
ここが裁判所の判断ポイントになります。
まずは監督人への相談から
任意後見が開始されると、家庭裁判所により「任意後見監督人」が必ず選任されます。
この監督人が、後見人の業務をチェックする役割を担っています。
そのため、いきなり裁判所に申し立てるのではなく、
・訪問回数が減っている
・対応が遅れている
・必要な管理が行われていない
といった 具体的な事実を整理したうえで、まずは監督人へ相談することが大切です。
まとめ
任意後見人は、「なんとなく合わない」「気に入らない」といった理由では変更できません。
しかし、
・職務が適切に行われていない
・本人の生活や財産に支障が出ている
といった明確な事情があれば、解任や制度の切り替えが認められる可能性があります。
大切なのは、感情ではなく“事実”を整理すること。
状況を客観的に確認しながら、適切な手順で進めていきましょう。
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