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2020年10月31日
ブログ

コロナで急増中!【家賃減額交渉】にどう向き合うか?賃貸経営への影響と対策について・・・

はじめに・・・

新型コロナウイルスの影響が長期化するなか、入居者から家賃減免・支払い猶予の相談を受けるオーナー様が増えています。

どう対応するのが良いのか?

不動産法務に詳しい久保内弁護士にアドバイスと解説をいただきました。

 

賃貸経営への打撃を最小限に抑えるための対応と手続きのポイントについて、以下にまとめてみました。

事業用・居住用を問わず影響大!

新型コロナウイルスの感染拡大による経済の悪化は、賃貸借の現場にも非常に大きな影響を及ぼしています。

 

2020年4月7日に発せられた緊急事態宣言は約1カ月半で全面解除されたものの、その後、各地で再び感染者数が増え、休業要請を発する都道府県も出てきています。

 

営業自粛は収益減に直結します。事業用賃貸物件では、固定費である賃料の負担に苦しむテナントが増加しています。

 

アパートやマンションなどの居住用物件であっても、勤務先の長期に及ぶ休業や解雇などによって賃料の支払いに支障を来す入居者が増えてきています。


今回は、入居者(個人・テナント事業者)から賃料減免や支払い猶予を求められたとき、オーナーはどのように対応するのがよいのかについてまとめました。

実は、想定外の事態が起きている・・・

一般に、賃貸借契約は長期継続を前提としています。そのため、当初設定した賃料が年月の経過とともに不相当になることは珍しくなく、契約更新時に賃料改定がなされることがあります。

 

なかには特約を設けて契約期間中に賃料改定ができるようにしているケースもあります。

 

しかし、これまでの主な改定理由は「建物に対する租税その他の負担の増減」「近傍同種の建物の賃料に比較して賃料が不相当」などです。

 

新型コロナウイルスの影響による営業自粛や来客者数減少、解雇などはまったくの想定外でした。

賃料減免に応じる義務はないが・・・

厳しい言い方をすれば、「売上が減ったから」「失職したから」賃料を減免してほしいというのは、入居者側の事情であってオーナーに責任はありません。

 

入居者が国や地方自治体からの「営業自粛要請」に従った結果だとしても、賃料の支払い義務が減免される直接の理由にはなりません。

 

したがって、入居者からの「お願い」にオーナーが応ずる義務はないといえます。

「共存共栄」の経営判断が大切

とはいえ、固定支出である賃料負担を軽減できなければ、入居者は最終的に退去(閉店、廃業、倒産)を選択せざるを得ません。

 

そうなるとオーナーにとっても、滞納賃料の焦げ付きや、空室となった貸室・貸店舗などの維持管理コストだけが出ていくことにもなりかねません。

 

ここは「共存共栄」の観点で、新型コロナウイルス収束後も賃貸借契約を継続させるために、入居者の負担を軽減するという経営判断が必要になります。

入居者の相談、対応は順を追って

入居者から賃料の減免や支払い猶予の申し入れがあったときは、いきなり可否を
回答するのではなく、順を追って検討することが大切です。

 

そのポイントは次の5つです。

① 賃料減免以外の打開策を検討する

賃料収入を生業とするオーナーとしては、入居者が受けた経済的打撃の大きさを理解はしても、申し入れに際限なく応じるわけにはいきません。

 

次の②で述べる「特別家賃支援給付金」の活用を積極的に人居者に案内して、まずは賃料減免以外の打開策を検討しましょう。

②「特別家賃支援給付金」の活用を後押し

売上が大幅に減った中小企業や個人事業主は、「特別家賃支援給付金」を活用す
ることができます(表1参照)。


「持続化給付金」(法人200万円、個人事業主100万円)との併用も可能ですの
で、まずは入居者にこの給付金を申請してもらいましょう。

申請書類の不備に注意!

注意が必要なのは、申請書類の不備により受理されないトラブルが続出している点です。

 

特に多いのが、「賃貸借契約書がない(自動更新規定がなく、更新契約書が締結されていない)」「相続やオーナーチェンジにより貸主が変わっているのに、賃貸借契約書が以前のまま」などです。

 

特例措置として、別資料を提出すれば申請できるようになってはいますが、手続きが煩雑だとの指摘もあります。

オーナーは入居者の申請に協力を!

もし、書類による更新手続きや契約書の書き換えをしていない場合は、この機会にきちんとした賃貸借契約書を作成し、人居者の申請手続きに協力しましょう。

③減免するなら金額・期間は慎重に!

賃料を減免するか否かは、最終的にはオーナーの良心や善意に基づく判断となります。


減免した結果、賃料収入が建物建築代金のローン返済額を下回れば賃貸経営が赤字になってしまいますので注意しましょう。


減免する場合は期間を区切って行い、必要なら更に延長を検討するのがよいと考えられます。

④「特例」であることの明確化

賃料の減免に応じる場合は、 それが永続的なものでなく、新型コロナウイルスの影響による特別対応であることを明らかにすることが大切です。


後のトラブルを防ぐために、覚書などを締結しておきます(表2参照)。

⑤税務上の処理を忘れずに!

減免する額が大きい場合は、税務上、オーナーが個人なら「みなし贈与」、法人なら「寄附金」(法人税法37条)という扱いになります。


そうすると、賃料収入が減った上に余計な税負担まで発生しかねません。


それを防ぐためには、減免分を損金として処理する必要があります。

損金算入できる要件とは?

法人が新型コロナウイルスの影響で賃料の減免をした場合、一定の要件を満たせば、その全額を損金算入できます(下記「賃料減免分を損金算入するための要件」参照)。

 
覚書を作成する際は、この点も踏まえておくことが大切です。

減収を補う制度の利用

賃料の減免に応じた場合、オーナーの収入も減少します。

 
賃貸経営への影響を最小限に抑えるために、次のような制度があります。

国や地方自治体の補助制度を積極的に活用する!

地方自治体のなかには、賃料を減免したオーナーに対して独自の補助制度を設けているところが少なくありません(例えば、減額賃料の2分の1かつ一物件あたり5万〜20万円/月を補填するなど)。


しかし、国の「特別家賃支援給付金」制度が実施されるまでの「つなぎ」として創設されたものも多く、大半が2020年9月から10月で終了となります。


もし、今からでも申請が間に合う補助制度があれば、ぜひ積極的に活用しましょう。
適用要件や手続きについては、お住まいの市区町村役場で確認してください。

 

<リンク>

仙台商工会議所ホームページ「家賃支援給付金」の申請要領が公表されました

固定資産税が免除または半額に

中小企業または個人事業主がオーナーである事業用賃貸物件については、新型コロナウイルスの影響で事業収入が減少した場合、令和3年度の固定資産税・都市計画税が「免除」または「半額」になります。

 

<参考PDFリンク>

新型コロナウイルス感染症 緊急経済対策における税制上の措置(経済産業関係)

賃料の支払い猶予も「減収」の扱いに

賃料を減免した場合だけでなく支払い猶予中でも収入の「減少」として扱われます。


金額としては僅かなものかもしれませんが、確実に活用したいところです。

協力して危機を乗り越えましょう!

新型コロナウイルスが経済に及ぼすダメージは様々な分野に及んでいます。


現在、賃料減免の要請を受けていないオーナー様でも、いつ当事者になるかはわかりません。


入居者から相談があったときは、最初から拒絶するのではなく、協力してこの危機を乗り越えるという意識で臨んでいただきたいと思います。

その他の“ 新型コロナウイルス感染症”に関連する各種支援の施策やブログについて

※新型コロナウイスル関連の各種支援の施策については経済産業省ホームページ“「経済産業省の支援策(2020年11月2日時点)」新型コロナウイルス(COVID-19)による企業への影響を緩和し、企業を支援するための施策をご案内します。”をご確認ください。

 

また、新型コロナ関連の対策をもっと知りたいは下記のブログも是非ご覧ください。

お勧めコンテンツはこちら

最後にお知らせ・・・

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この記事を書いた人
熊谷 博喜 クマガイ ヒロキ
熊谷 博喜
賃貸オーナー様、月極駐車場オーナー様、不動産売買のお客様をサポートいたします。

大切な不動産資産をどのように活用されたいか、お客様毎に答えが様々であると常々感じております。

ご相談者様、ご家族の皆様にとって、最良のご提案ができるよう、これからもお客様と一生お付き合いできる人間関係づくりを目指してまいります!
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