平和エステート株式会社
2022年06月05日
不動産コラム
オーナーが知っておきたいことは? 事故防止のためにすべきことは?
「屋外階段等の防腐措置等ガイドライン」のポイント
八王子のアパート外階段崩落事故から約1年。国は再発防止に向けて「ガイドライン」を策定し、屋外階段の 適切な維持管理の基準を提示。そのポイントとオーナーへの影響について一級建築士の宮坂氏に伺う。
二度と階段崩落事故を起こさないために
昨年、八王子市で発生した木造アパートの屋外階段崩落事故は、入居者が亡くなるという痛ましい結果となり、社会に大きな衝撃を与えました。
その後、問題の階段には防腐処理が施されていなかったこと、また、階段と踊り場の接合部材が腐食していたことなどが明らかになり、適切な防腐処理の重要性が再認識されました。
実はこれまで、防腐処理の内容や方法、劣化を防ぐための維持管理の基準などについて、目安となるものはありませんでした。
そこで国は、二度と同様の事故を起こさないために「木造の屋外階段等の防腐措置等ガイドライン」(以下「ガイドライン」)を策定しました (2022年1月16日)。
今回は、「ガイドライン」の内容を踏まえつつ、オーナー様が物件を安全に維持管理するために、必要なポイントについてお話しします。
屋外階段のある木造アパートをお持ちのオーナー様だけでなく、RC造や 鉄骨造の物件をお持ちのオーナー様にも是非知っておいていただきたいと思います。
対象となる階段の種類
「ガイドライン」の対象は、2階建てから5 階建て程度の木造アパートに設置された屋外階段です。
階段は、段板、側板、蹴込み板、踊り場などで構成されています (以下、まとめて「部材」といいます)。
部材は木材のみ、2鋼材のみ、③木材と鋼材、④接合部にも木材 が使用されている階段の4種類が対象となっています(図1)。
ちなみに、事故が起き 階段は③でした。
腐食、腐朽、錆びつきなど による事故を防ぐ
「ガイドライン」の目的は、木造アパートに 設置された屋外階段の劣化(腐食、腐朽、 錆びつき、虫食いなど)による崩落事故を防ぐことです。
劣化の最大の要因は「雨水」です。屋外階段は構造的に雨にさらされる部分(雨がかり)が多いため、部材の腐、腐食などが起きやすくなります。
アパートを建てる際は、雨がかりを極力生じさせない構造にすること、また、雨水や結露をいつまでも滞留させないことが重要になります。
「ガイドライン」では、次の2点について、 基本的な考え方を示しています。
①設計・施工における「防腐措置」
屋外階段の設計者、施工者は、表1に示した各項目について、有効な防腐対策などを検討することとしています。
②使用段階の「維持管理」
いかに設計・施工段階で適切な防腐措置が行われたとしても、その効果は経年劣化により低下していきます。
そこで重要なのが、オーナー様による劣化の「早期発見」と、専門家による「早期治 療」です。「ガイドライン」ではこの2点を非常に重視しています。
劣化の最大の要因は「雨水」です。屋外階段は構造的に雨にさらされる部分(雨がかり)が多いため、部材の腐、腐食などが起きやすくなります。
アパートを建てる際は、雨がかりを極力生じさせない構造にすること、また、雨水や結露をいつまでも滞留させないことが重要になります。
「ガイドライン」では、次の2点について、 基本的な考え方を示しています。
①設計・施工における「防腐措置」
屋外階段の設計者、施工者は、表1に示した各項目について、有効な防腐対策などを検討することとしています。
②使用段階の「維持管理」
いかに設計・施工段階で適切な防腐措置が行われたとしても、その効果は経年劣化により低下していきます。
そこで重要なのが、オーナー様による劣化の「早期発見」と、専門家による「早期治 療」です。「ガイドライン」ではこの2点を非常に重視しています。
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