外国人の賃貸需要を空室対策に生かそう!
「外国人の受け入れ」で満室稼働中!
供給過剰が続く市場。新たな入居者層の獲得は、空室対策の有効策の一つといえる。大阪で20年以上 満室経営を続ける五條オーナーの切り札は「外国人入居」 その考え方、成功のポイントとは?
大阪ミナミの繁華街で
私は祖父の代から大家業を営む家に生まれ、その3代目です。大学在学中、相続により専業大家となり25年が経ちました。
現在は、地元大阪ミナミの繁華街に4 棟120戸のマンションを保有し、満室をキープしています
地域柄、近隣には多くの外国人が居住し、または働いています。 私の物件では入居者の8割が日本人ですが、外国人も積極的に受け入れています。 外国人人居者さんは、満室経営に欠かせない存在となっています。
現在はコロナによる入国制限措置の影響で外国人需要は減少していますが、それ以前は順調に推移していました(図1)。
今回は、私が外国人番要をどう捉え、満室に繋げているかについてお話しします。
英語の先生の一言で 家具・家電付きを導入
私が積極的に外国人入居者に取り組むようになったのは約20年前。きっかけは通っていた英会話教室の先生の一言でした。
ワー キングホリデーで来日していたため在留期 が、「家具・家電付きの部屋が見つからない」と言います。
そこで生 に家具・家電を備えて貸し出したところ、 とても喜ばれました。
早速、他の空室も同様に募集すると満室になりました。
この成功体験から、現在も外国人向けの部屋は家具・家電付きにしています
外国人を積極的に受け入れる理由
なぜ、外国人を積極的に受け入れているのか? 理由は2つあります。
まずは何と言っても楽しいからです。イ ンドの方が玄関前にカーペットを敷いたり、欧米の方が「共用廊下が殺風景だから」 と絵を飾ったりするなど、日本人にはない発想に驚いたり感動したりすることも多々あります。
もう一つはエリアの特性です。ここは都心で家賃相場が高く非常に賑やかです。 日本人には敬遠されがちですが、周辺の飲食店や企業で働く外国の方の多くが、 職住近接を最優先するからです。
●空室対策としてのメリットは大きい
外国人入居の最大のメリットは空室対策として有効なことです。長年、満室をキープしていますが、日本人だけをター ゲットにしていたら実現は難しかったと思います。
外国人の契約数は毎年、全120戸中 20~30戸(17~25%)で推移しており、この 数値はエリアの空室率(%)とほぼ同じです。日本人だけでは埋まらない分を外国の方が埋めてくれています。
文化の違いによる「リスク」はある?
オーナー様の中には、言葉や文化の違い を「リスク」と感じる方もおられると思いますが、私は次のように捉えています。
●言葉の壁
オーナー側に英語力が必須かというと ケースバイケースだと思います。
私の物件には英語しか話さない方がいる一方で、 「勉強のためできるだけ日本語で話してほしい」という留学生もいます。
ベトナム人の 入居者さんと翻訳アプリを使って意思疎 通を図ったこともありました。
どうしても守ってほしいゴミ出しルールなどは、日本語・英語併記の案内を作り、 不動産会社を通じて配布しています。
たまに粗大ゴミを一般ゴミとして捨てる方がいますが、丁寧にルールを伝えると理解してもらえます。
つまり、言葉の壁はコミュニケーションで 越えることができると思っています。
●文化の違いへの対応
「日本人と同じ」を求めるとストレスを感じるかもしれません。相手の文化を尊重して柔軟に接するようにしています。
●マナー違反
国籍とマナーの良し悪しは関係がなく、 あくまでも人によります。私の例では、ベ ランダでバーベキューをした人や大音量で音楽を聴く人がいましたが、注意書きのメモを投函したらすぐ解決しました。
●家賃滞納
欧米人とアジア人留学生は基本的に滞納がありません。特に欧米人は契約意識が高く、遅れそうになるとすぐ連絡が来ます。 就労ビザや永住権を持つアジア人の中には滞納する人もいますが、日本人と同じ程度です。
●又貸し
又貸しが当たり前の国もあり、以前は他の入居者さんから「知らない人が出入りしている」というクレームもありました。しかし、民泊新法の施行後はなくなりました。
●多人数での無断同居
無断同居はコロナ禍で一度だけありました。単身の入居者さんが友人5~6人を同居させていたのです。
事情を聞くと、勤務先の飲食店が営業自粛となり、収入が途絶えて家賃が払えず、退去した人たちでした。やむを得ない事情のため、水道代を1000 円ずつもらい容認しました。
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