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2021年12月14日
不動産コラム

空室だらけの古いアパートを建て替えたい! 入居者に退去の申し入れをする時の注意点は?


私は築40年超のアパートを保有しています。 雨漏りがある上、 4室中3室が空室なので建て替えを検討しています。 契約書に「退去の申し入れは3ヵ月前まで」 と記載しています。 普通借家契約で半年後に契約期限を迎えるので、 今から手続きを進めたいと思います。 注意点を教えてください。


家主からの解約は「正当な理由」がない限り認められません。 また、 立ち退き交渉 には細心の注意を払う必要があります。

家主が更新拒絶するには 「正当な理由」が不可欠

 ご存じの方も多いかと思いますが、 借地借家法では入居者保護に重きが置かれています。 そのため普通借家契約においては、 契約書に記載されている期限を守って解除予告をしても、多くの場合、 無効となってしまいます。

  ご質問によると、 契約期間が半年後に満了を迎えるとあります。 しかし、入居者が更新を希望した場合は、 家主側に契約を終了させる 「正当な理由」がない限り、 これを拒むことができません。

裁判所の判断基準とは?

 裁判 (建物明渡訴訟)を起こした場合、家主は裁判所に 「正当な理由」を説明する必要があります。

 裁判では、「建物が著しく老朽化している」 「海外転勤を終えて帰国することになり、住む家が必要である」などの家主側の理由に加え、「明渡しと引き換えに立退料を支払う」といった条件も含めて総合的に判断されます。

 なお、「建物の老朽化」については、 ところどころ雨漏りする程度では、 「正当な理由」とは認められないことがほとんどですので注意が必要です。

入居者の事情を考慮して、穏便に交渉を

 裁判でなく交渉によって退去を求める場合には、賃貸借契約の内容をベースに話し合いを行います。

 まず、 「家主からの中途解約についての条項の有無」、 次に「契約期限」を確認しましょう。 また、 耐震診断を行い、 基準に達していないことを確認しておくと、交渉の材料にできるケースもあります。 これらの準備をした上で、入居者に対して、 「半年後に契約期限が来ますが、 建物が築40年を超えて老朽化し、 耐震性にも不安があるので建て替えたいのですが」などと打診してみましょう。

 あらかじめ近隣の類似物件をインターネットなどで探しておき、場合によっては、引っ越し先として提案したり、 引っ越し代の負担を申し出たりすることも一案です。

 裁判になると入居者が圧倒的に優位になり、 非常に高 額な立退料を求められる可能性もあります。 家主は、 できるだけ穏便に入居者との話し合いをまとめることが重要となります。

Point!

・普通借家契約では、家主からの解除条項があっても、 「正当な理由」がない限り更新を拒否できない

・丁寧な交渉により、入居者が納得して引っ越せる状況をつくろう!




がとう・ゆきひで  弁護士法人事務所 1972年生まれ。 名古屋 市出身 愛知学院大学法科大学院了 2010年弁護士登録。 愛知県弁護士 会所属。20年間、 不動産賃貸会社をしていたという異色の経歴を持ち 自らも8種 160戸の物件を保有、法律に精通した実践的なアド バイスに定評がある。 YouTubeで 「弁護士かとう」 チャンネルを運営中



※Owners 2021.10 加藤幸英の法律相談より


 

この記事を書いた人
加藤慎 カトウ シン
加藤慎
営業部で賃貸仲介、売買仲介、物件オーナー様の担当業務をさせていただいております。

不動産についてのご相談はお客様によって様々ありますので、ご希望やお考えをしっかりと理解し誠実な対応が出来るように心がけ、プロとしてお客様にとって有益なご提案と情報提供が出来るように知識の習得も続けていきます。

また、営業部の賃貸客付けグループはスタッフの人数が増え体制が強化されました。

グループ全員が一致団結して、一日でも早く空室の客付けが出来るよう頑張っています。
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