9:00~17:00
毎週水曜日・祝日
2021年11月16日
不動産コラム

賃貸経営に必須!「施設賠責任保険」とは?

●補償の範囲、費用、保険金etc.、オーナーが知っておきたい全ポイント!

 保有物件による事故は、賃貸経営の存続をも左右しかねない。オーナーを守る砦として必須といわれる「施設賠償責任保険」。その補償内容とは?オーナーであり、保険のプロとして活躍する柴山氏に解説いただく。


 2021年4月に東京都八王子市で発生したアパートによる死亡事故は、賃貸住宅に関わる全ての人に大きな衝撃を与えたことと思います。

特にオーナー様の中には「もし、自分の物件だったらどのように責任を取ればよいのか?」「リスク対策は今のままで十分なのだろうか?」など、自分事として捉えられた方も多いのではないでしょうか?

 私は茨城県筑西市でアパート3棟を保有するオーナーであり、保険代理業に従事する保険のプロでもあります。

今回の事故をきっかけにリスク対策の強化を考えるオーナー様から、「施設償責任保険」 に関するお問い合わせが増えています。

 そこで、この保険がどのようなものなのかについてお話しします。

オーナーは「無過失責任」

 建物ので事故において、手抜き工事など施工自体に問題がある場合には、当然、建築会社の責任は重大で免れません。

 では、所有者であるオーナー様はどうでしょうか? 

実は責任を問われるケースがあります。
「土地工作物責任」といって、建物に問題 があった場合は所有者が損害を賠償する義務を負いま (民法77条1項)。

この責任は、オーナー様に落ち度が一切なくても免れることができません (無過失責任)。
ちなみに、オーナー様が不具合を知っていて補修しなかったような場合、責任はかなり重くなります。

施設賠償責任保険とは?

●補償の内容

損害防止費用:損害の発生・拡大を防止するための費用(火災の消火に使用した消火器代金など)。

緊急措置費用:事故直後の応急措置費用。
 
権利保全行使費用:オーナー様が他人から損害賠償を受けることができる場合、その権利を保全・行使するための手続きに要する費用。
例えば、八王子の事故のように建築会社にも責任がある場合、同社へ補償を求めるための郵送費や交通費などです。

争訟費用:裁判などにかかる費用(弁護士費用など)。

協力費用:事故解決に当たる保険会社に協力する際にかかる費用(オーナー様自身の交通費など)。

損害賠償金:被害者に支払う賠償金。

●「補償限度額」の設定は熟慮して

 補償される金額の限度(補償限度額)は加入の際、オーナー様が設定します。
限度額の範囲は保険会社にもよりますが、 1000万円~10億円ほどです。 

 被害者の生命に関わる事故の場合、賠償額が高額になるケースもありますので、 十分な金額設定にすることが重要です。

●保険料は意外にリーズナブル

 この保険の特徴の一つは、補償額が大きい割に保険料が安めという点です。
マンション・アパート1棟の場合、数千円(1年間)で済むことも少なくありません。費用対効果はかなり高いといえます。

 新築物件の場合、「不具合はないだろうから必要ない」と思われるかもしれませんが加入しておくのが安心です。

arrow_upward